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 自民党は4日、党紀委員会を開き、派閥の政治資金規正法違反事件に関係した安倍、二階両派の議員ら39人に対する処分を決定する。処分は「離党勧告」「党員資格停止」「党の役職停止」「戒告」の4段階で行う。安倍派「5人衆」の一人の萩生田光一・前政調会長は1年間の役職停止とする方向で検討している。 【図解】自民党の処分の重さによる主な影響

 処分の対象人数は、離党勧告が2人、党員資格停止が3~5人、役職停止が15~17人、戒告が17人となる見通しだ。党規律規約が定める処分は8段階あり、それぞれ上から2番目、3番目、6番目、7番目の重さとなる。

 離党勧告の対象は、安倍派元幹部の塩谷立・元文部科学相と世耕弘成・前参院幹事長。塩谷氏は安倍派座長、世耕氏は参院安倍派会長を務めており、党執行部は両氏が派内で特に指導的立場にあったと判断している。離党勧告に従わない場合は除名となる。

 党員資格停止と役職停止は、党規律規約で「3か月以上2年以下」の間で適用期間を定めるとされている。

 塩谷、世耕両氏とともに2022年の派幹部会合で安倍元首相から不正還流の取りやめを直接指示されていた下村博文・元文科相、西村康稔・前経済産業相の2人は1年間の党員資格停止、安倍派解散決定時に事務総長だった高木毅・前国会対策委員長は、半年間の党員資格停止となる方向だ。適用期間中は、選挙で党の公認を得られないほか、党総裁選への立候補や投票の資格などを失う。

 安倍派事務総長経験者の松野博一・前官房長官と、二階派で直近の事務総長だった武田良太・元総務相については、党員資格停止か役職停止のいずれかの処分で調整している。

 役職停止は、萩生田氏のほか、政治資金収支報告書への不記載額が2018~22年の5年間で1000万円以上だった議員が対象となる見通しで、不記載額が2000万円以上かどうかで適用期間に差をつける案が出ている。戒告は、5年間の不記載額が500万円以上1000万円未満の議員らを対象にする。

 党紀委は処分審査の対象となる議員らに対し、必要に応じて弁明書の提出を求めている。開催は午後の予定で、党紀委は弁明書の内容も踏まえた上で、処分を正式に決定する。