森友学園の国有地売却問題で、ごみの撤去費用として大幅に値引きするという方法は、土地を所有する大阪航空局が近畿財務局に提案していたことが削除された財務省の文書からわかりました。大阪航空局は通常は民間の業者に依頼される値引き額の算定もみずから行っていて、売却価格が妥当だったのか改めて問われるものとみられます。財務省は19日、森友学園に国有地を評価額から8億円余り値引きして売却したときの決裁文書から添付文書の削除が新たに確認されたとして公表しました。
削除されていた文書は、おととし近畿財務局が国有地の地中から見つかった新たなごみを早急に撤去するよう学園から求められたことを受けて対応方針をまとめたもので、土地を所有していた大阪航空局との間で協議を重ねたことが詳しく書かれています。大阪航空局はごみを処理する責任があるとしつつも早急な予算措置は難しいとして、代わりに撤去費用を差し引いて土地の価格を安くする方法を提案していました。
近畿財務局はこの提案を受け入れたうえで、通常は民間の業者に頼む撤去費用の見積もりを大阪航空局に依頼する異例の手続きを取り、8億円余りの値引き額が算定されていました。近畿財務局は大阪航空局に見積もりを依頼したのと同じ時期に学園側から予算の上限額を聞き出していたことも判明していて、売却価格が妥当だったのか国会で問われるものとみられます。