車の自動運転の実験が公道で盛んに行われているアメリカ西部のアリゾナ州で、歩行者が実験車にはねられて死亡しました。自動運転の車による全米初の歩行者の死亡事故だと大きく伝えられ、自動運転の安全性などが問われることになりそうです。

アリゾナ州の州都フェニックス近郊で、18日深夜、道路を歩いてわたっていた女性が、自動運転で走行中の車にはねられて死亡しました。

地元の警察によりますと、配車大手のウーバーが自動運転の実験用の車を公道で走らせていて、当時、この車の運転席には、ドライバーがいたということです。

アメリカのメディアは「自動運転の車による全米初の歩行者の死亡事故だ」と、一斉に伝えています。事故を受けてウーバーは「お悔やみ申し上げます。当局の捜査に全面協力していきます」とコメントしたうえで、フェニックスや東部ペンシルベニア州ピッツバーグなどで行っている公道での自動運転の走行実験をいったん中止することを明らかにしました。

アリゾナ州は、自動運転の車も一般の車の走行と変わらないとして規制を設けておらず、ウーバーのほか大手IT企業のグーグルから独立したウェイモなど多くの企業が、さまざまな段階の自動運転の実験を公道で進めています。しかし、NTSB=国家運輸安全委員会が原因究明のための調査チームを派遣することを決め、今回の死亡事故を受けて自動運転の安全性や規制の在り方が問われることになりそうです。