[ワシントン 9日 ロイター] – 米フェイスブック(FB.O)のザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は10─11日に開かれる上下院委員会の公聴会で証言し、個人情報の悪用防止で十分な対策を怠っていたことを認め、謝罪する。9日公表された証言原稿から明らかになった。

ザッカーバーグCEOは下院エネルギー・商業委員会の公聴会向けの証言原稿で「フェイスブックの担う責任を大局的に捉えていなかったことは大きな過ちだった」とし、「これは自分のミスであり、謝罪する。自分がフェイスブックを立ち上げ、経営しており、今回のことは自分に責任がある」と述べた。9日には議会を訪れ、民主党幹部らと会談している。一部幹部との協議前後、記者団の質問に答えなかった。今週の証言で満足できる回答が得られない場合、フェイスブックを厳格に規制する新たな法案を推進する公算が大きくなる。カドロー米国家経済会議(NEC)委員長は、政権が新たな規制をかける必要があるかとの問題で、コメントを控えた。

ザッカーバーグCEOは「フェイスブックのツールが悪用されることを防止する対策が十分でなかったことは明白」とし、「これはフェイク(偽)ニュース、他国による選挙への関与、ヘイトスピーチ、さらにデータプライバシーという問題すべてに及ぶ」と語った。フェイスブックを巡っては、2016年の米大統領選でトランプ陣営が利用していた英データ会社ケンブリッジ・アナリティカ(CA)がフェイスブック利用者最大8700万人の個人情報を不正に利用していたことが明るみに出ている。

ザッカーバーグCEOは、セキュリティ面での大型投資が「今後、収益性に著しい影響を及ぼす」と述べた。フェイスブックではセキュリティーやコンテンツ審査に約1万5000人が従事し、年末までに2万人強に増えると見通した。「社会を守ることは、利益最大化より重要」としたフェイスブックによるロシア関与の発見と対処が遅過ぎたことを認め、状況の改善に努めるとした。改善に時間はかかるとしつつも「状況を正すことにコミットしている」と言明した。

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