南北首脳会談をめぐって、日本政府は、非核化に向けた北朝鮮の真意がどこにあるのか見極めるとともに、拉致問題に関してどのようなやり取りが行われるのか注視する考えです。会談後、28日にも安倍総理大臣が韓国のムン・ジェイン(文在寅)大統領から電話で説明を受けるほか、河野外務大臣が、来週半ばから韓国とアメリカを訪問し、今後の対応を協議する方向で調整しています。

日本政府は、過去に北朝鮮との対話が核や弾道ミサイルの開発中止につながらなかった経緯があるため、北朝鮮の非核化には具体的な行動が不可欠だとしています。そして、史上初の米朝首脳会談を見据え、今回の南北首脳会談で非核化に向けた北朝鮮の真意がどこにあるのか見極めたい考えです。また、韓国のムン・ジェイン大統領が言及する姿勢を示している拉致問題について、どのようなやり取りが行われるのかにも注目しています。

日本政府としては、南北や米朝の首脳会談を通じて北朝鮮側の反応を見極め、最終的には日朝首脳会談など直接交渉によって拉致問題の解決につなげたい考えです。これに関連して、安倍総理大臣は26日、「もし日朝首脳会談をやるのであれば、拉致問題の前進に資するものにしなければならない」と述べました。

日本政府は、会談後、速やかに韓国側の説明を聞いたうえで、米朝首脳会談に向けた対応をアメリカとも協議したい考えで、安倍総理大臣が28日にもムン大統領から電話で説明を受けるほか、河野外務大臣が来週半ばから韓国とアメリカを訪問する方向で調整しています。