• 短期保有のポジションは投機的で禁止されるとの想定、撤回の準備
  • 規制当局は5月末までにボルカー・ルール見直し案公表の見通し

米金融規制当局は短期的なトレードについて、金融危機後に導入された規制に違反するとの想定を撤回する準備を進めている。事情に詳しい関係者3人が明らかにした。ウォール街の金融機関にとって、ボルカー・ルールの大幅な規制緩和となる。

関係者によれば、米連邦準備制度理事会(FRB)など5つの規制当局は、銀行による保有が60日未満のポジションは投機的であり、このため禁止の対象となるとした想定を撤回する計画だ。当初のルールにはこうした想定が盛り込まれていた。

銀行はこれに代わり、自行のトレードがルールを順守したものだと結論付ける余地を与えられ、規制当局がこうした判断に異議を唱える責任を負うことになるという。

非公開情報であることを理由に匿名で語った関係者によると、内々に「ボルカー2.0」として知られる規制改革の一環で、トランプ米大統領が指名した当局者らは今後数週間に一連の改革を提案する見通し。

見直しを主導したのはFRBだが、その進め方を巡っては証券取引委員会(SEC)、通貨監督庁(OCC)、連邦預金保険公社(FDIC)、商品先物取引委員会(CFTC)も合わせた計5つの当局の間で大まかな合意がある。

OCCのオッティング長官は、これらの当局が5月末までにボルカー・ルール見直し案を公表する見通しであることを確認した。5つの当局の報道官はいずれもコメントを控えた。

原題:Volcker Rule Rewrite Is Said to Drop Key Trading Burden on Banks(抜粋)