[ニューヨーク 15日 ロイター] – ニューヨーク外為市場ではドルが上昇。主要6通貨に対するドル指数が昨年12月以来の高値を付けたほか、対円でも2月初旬以来の高値を付けた。米国債利回りの上昇や小売売上高の増加がドル買いにつながった。ドル指数は0.63%高の93.173。一時93.457まで値上がりした。ドル/円は0.58%高の110.29円。

コモンウエルスFX(ワシントンDC)の首席市場アナリスト、オマー・エジナー氏は「米国債利回りが全般的に上昇したことや小売売上高が比較的底堅かったことがドル買いを後押しした」と述べた。

10年債利回りは3.095%と節目となる3%を突破し、2011年7月以来の高水準を付ける中、エジナー氏は「利回りが3%を再び超えたことで、高リスク・高利回り資産と比較してドル資産の投資妙味が増した」と指摘。さらにユーロ圏や英国の経済指標が予想を下回ったことで「米経済の堅調さが浮き彫りとなり、米連邦準備理事会(FRB)が他の主要中銀よりもかなり速いペースで金融政策の正常化を進めるのではないかとの思惑が広がった」とした。

4月の小売売上高は前月比0.3%増と、前月の0.8%増から伸びが鈍化したものの、プラスを維持し、1・2月の急激な落ち込みから勢いを取り戻しつつある兆候を示唆した。ケンブリッジ・グローバル・ペイメンツのディレクター、カール・シャモッタ氏は「不安定な反転以降、消費者心理は回復しているもようで、第2・四半期の経済成長は改善が期待できるほか、FRBが緩やかな利上げを行う根拠ともなり得る」との見方を示した。

ユーロ/ドルは1.1821ドルと年初来安値を更新。ドイツの第1・四半期の国内総生産(GDP)速報値は前期比0.3%増と、前期の0.6%増から鈍化、2016年第3・四半期以来の低い伸びにとどまるとともに、市場予想の0.4%をやや下回った。

トルコリラは対ドルで最安値を更新。エルドアン大統領が、来月の大統領選の勝者は金融政策でも影響力を発揮する必要があり、中銀は大統領の発言を受け止めて従うべきとの見解を示したことが材料となった。リラは年初来で13%強下落している。アルゼンチンペソも最安値更新したものの、中銀の介入が奏功し、この日は8営業日ぶりに反発して取引を終えた。

ドル/円 NY終値 110.34/110.36
始値 109.90
高値 110.45
安値 109.88
ユーロ/ドル NY終値 1.1837/1.1838
始値 1.1917
高値 1.1918
安値 1.1821