アメリカ南部テキサス州にある高校で日本時間の昨夜、銃撃事件があり、これまでに生徒など10人が死亡、10人がけがをしました。高校とその周辺などからは複数の爆発物が見つかっているということで、捜査当局は、この高校の17歳の男子生徒を容疑者として拘束し、詳しく調べています。

テキサス州の最大都市ヒューストン近郊のサンタフェにある高校で、日本時間の18日午後9時半ごろ、現地時間の18日午前7時半ごろ銃撃事件がありました。

警察などによりますと、これまでに生徒など10人が死亡、10人がけがをしたということです。この事件で、捜査当局はこの高校の17歳の男子生徒を殺人の疑いで拘束し、別の2人についても事件にかかわった可能性があるとみて事情を聞いているということです。

事件現場からはショットガンと拳銃が見つかったほか、地元のメディアはパイプ爆弾などの爆発物がみつかったと伝えています。さらに、容疑者の自宅や車からも火炎瓶など複数の爆発物がみつかっていて、警察が詳しく調べています。

事件があったサンタフェはテキサス州の最大都市ヒューストンから南東に50キロほど離れた人口1万人ほどの町です。ヒューストンにある日本総領事館によりますと、これまでのところ、日本人を含む外国人が銃撃事件に巻き込まれたという情報は入っていないということです。

生徒たち「3発の銃声が聞こえた」

銃撃があった高校の女子生徒は「2階にいたが警報音が聞こえて、最初は避難訓練かと思い、訓練と同じように避難した。誰も銃撃が起きているとは思わなかった。そしたら3発の銃声が聞こえて、先生が『逃げて』と何度も言ったので走って避難した」と泣きながら話していました。

また別の女子生徒は「最初、音が聞こえたときは、火災が発生したと思った。そしたら何人かが『銃撃だ』と言っているのを聞いて、銃撃だとようやくわかった」と話していました。

男子生徒は「3発の銃声が聞こえて、みんなで走って逃げた。母親に電話したらさらに銃声が聞こえた。ひざを撃たれている女子生徒を見た」と話していました。

トランプ大統領「こうした事件は長年起き続けている」

アメリカ南部テキサス州の高校での銃の発砲事件を受けてトランプ大統領は18日、ホワイトハウスで行った演説で事件について言及し、状況を注視したうえで地元の当局と連携して対応する考えを示しました。

トランプ大統領は演説の冒頭で、「非常に悲しい日だ」と述べ、犠牲者に哀悼の意を示したほか、「こうした事件は長年われわれの国で起き続けている」と述べ、学校の安全対策に取り組む考えを強調しました。この演説に先立ってトランプ大統領はみずからのツイッターに「テキサスの学校で銃撃が起きた。初期段階の情報では状況はよくないようだ。神のご加護がありますように」と書き込んでいます。

またホワイトハウスによりますと事件を受けてトランプ大統領はテキサス州のアボット知事に対し政府として支援を惜しまない考えを伝えたということです。

後を絶たない学校での銃撃事件

アメリカでは、ことしに入ってからも学校での銃の発砲事件や乱射事件が後を絶ちません。ことし1月には、南部テキサス州の高校で、男子生徒が発砲して女子生徒にけがをさせる事件が起きたほか、南部ケンタッキー州の高校でも男子生徒が銃を乱射し、生徒2人が死亡、17人がけがをしました。

2月には、南部フロリダ州の高校で元生徒の男が銃を乱射して、生徒と教師合わせて17人が死亡しました。この事件を機に、アメリカ国内の各地で銃規制の強化を求める大規模なデモが相次ぎました。しかし、3月には、東部メリーランド州の高校で男子生徒が銃を発砲し、生徒2人が負傷する事件が起きています。

アメリカのメディアは、銃規制の推進を求めるアメリカのNPOがまとめた調査結果として、ことしに入り、学校などの教育現場に銃が持ち込まれて銃撃事件や自殺などに至ったケースは今回の事件の前までで40件に上っていると伝えています。