アメリカのムニューシン財務長官は、アメリカが抱える貿易赤字の大幅な削減に中国が取り組んでいる間は、幅広い輸入品に高い関税を課すことを棚上げすることで中国側と一致したと述べました。ただ、これについて協議後の共同声明には盛り込まれず、貿易摩擦の解消の行方は不透明になっています。
米中の貿易摩擦をめぐって、アメリカのムニューシン財務長官ら経済分野の閣僚と、中国の劉鶴副首相は18日までの2日間、ワシントンで協議を行い、アメリカが抱える貿易赤字を大幅に削減するため、中国向けの農作物などの輸出を増やすことなどで一致しました。
これについてムニューシン長官は20日、アメリカのFOXテレビのインタビューで「貿易赤字の大幅な削減に取り組んでいる間は、高い関税を課すことを棚上げすることで一致した」と述べ、貿易戦争を回避する姿勢を強調しました。
そのうえで、ムニューシン長官は、中国向けの農作物などの輸出を増やす具体案を詰めるため近く、ロス商務長官が中国を訪れることを明らかにしました。
また、中国国営の新華社通信によりますと、劉鶴副首相も「今回の協議の最大の成果は、双方の関税の上乗せ措置が停止されることだ」と述べ、対立を避ける考えを示しています。
ただ、関税の棚上げについては協議後の共同声明には盛り込まれず、米中間の貿易摩擦の解消の行方は不透明になっています。