• OPEC加盟・非加盟産油国、徐々に産油量回復する可能性
  • 米国など消費大国から政治的圧力、原油価格は1バレル80ドルに接近

サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は、石油輸出国機構(OPEC)加盟国と非加盟産油国が今年後半に産油量を徐々に回復させる可能性が高いと述べた。原油価格が1バレル当たり80ドルに接近している現状で、消費者の不安を和らげる必要があるという。

サウジ発のコメントにはロシアも同調しており、2016年にまとまった歴史的な減産合意から重大な方向転換が示唆された。産油国はつい1カ月前に減産維持と価格支援で合意していたが、原油価格が3年ぶり水準に高騰、世界経済の成長を抑制するとの見方が広がり、米国をはじめとする消費大国から政治的な圧力がかけられている。

ファリハ・エネルギー相はロシアのサンクトペテルブルク国際経済フォーラムで、市場に動揺をもたらさないよう、円滑な形で「供給を解き放つ時が近い将来来ると思う」と発言。6月に開かれるOPECとロシアなど産油国との会合で、消費者の不安を取り除くために「必要な行動を取るだろう」と述べた。

原題:Saudis Signal Oil Output Boost, Offering Relief to Consumers(抜粋)