[ジュネーブ 4日 ロイター] – 欧州委員会のマルムストローム委員(通商担当)は4日、欧州連合(EU)が早ければ7月に鉄鋼・アルミニウム製品に対する緊急輸入制限(セーフガード)発動に向けた予備的措置を講じる可能性があると語った。

マルムストローム委員はロイターとのインタビューで「EUは7月に予備的措置を講じることが可能で、それに関し協議を行う見通しだ」と語った。

その上で、米国の関税措置による欧州の鉄鋼・アルミ業界への影響を巡る全面的な調査には9カ月の時間が必要とし、「可能であれば、調査の暫定結果を見極めたい」とした。

世界貿易機関(WTO)の規定の下、EUは暫定結果次第で最長200日間にわたり「予備的なセーフガード措置」を講じることが許される。

米政府は前週、カナダ、メキシコ、欧州連合(EU)に対し鉄鋼・アルミニウムへの輸入関税を適用すると発表。鉄鋼には25%、アルミニには10%の税率が課され、1日に発効した。

マルムストローム委員は、EUは今月20、21日をめどに米製品に対する報復関税を導入するとした上で、WTOのルールに基づくセーフガードだと説明。「他国とは異なり、EUの取る措置は全てWTOルールに準拠している」と述べた。

EUの報復措置に対し、米国が新たに追加関税措置に出るかどうかは不明としつつも、EUがこれまでに提案した解決策は米政府によって拒否されたとし、「次は米国が決める番だ」と強調した。

米国が自動車への追加関税適用を検討していることについては、鉄鋼関税への対抗措置よりも「一段と大規模な」報復を招く可能性があるとけん制。「自動車関税が発動されることになれば、非常に嘆かわしい。欧州だけでなく、世界全体に重大な影響が及ぶだろう」と述べた。