[ワシントン 21日 ロイター] – トランプ米大統領は21日、ホワイトハウスでの閣議で、北朝鮮が兵器用の大規模な実験施設4カ所を爆破し、「完全な非核化がすでに始まった」との認識を示した。

ただ、当局者によると、6月12日の米朝首脳会談以降で、実験場の解体に向けた新たな動きを示す証拠は確認できていない。

大統領は閣議で「(北朝鮮は)弾道ミサイルを含めたミサイルの発射を中止した。エンジン施設を破壊し、爆破している。実際には大規模な実験施設4カ所をすでに爆破した」と語った。

大統領が北朝鮮のどの実験施設に言及したかは不明。だが、北朝鮮の核・ミサイル実験場に関する最新情報に詳しい複数の米当局者は、米朝首脳会談以降で、実験場の解体に向けた新たな動きを示す証拠はないとしている。

これらの当局者が匿名を条件に語ったところでは、トランプ大統領は、北朝鮮が5月に行った豊渓里(プンゲリ)核実験場の坑道爆破や、同じく5月に行われたIha-ri実験場の中距離弾道ミサイル発射台の解体を指している可能性がある。

マティス米国防長官は20日、北朝鮮が米朝首脳会談以降、非核化に向けた何らかの行動を取ったかと記者に問われると、「把握していない」と回答。「非核化に向けた手続きはごく初期段階にあり、具体的な協議は始まっていない」と述べた。