• ドルは主要10通貨全てに対して上昇、対円で0.3%高
  • トランプ大統領はムニューシン財務長官の穏やかな手法に傾斜

26日のニューヨーク外国為替市場ではドルが上昇。米当局者の発言で米中貿易戦争が差し迫っているとの懸念が和らいだため、株式相場が反発し、ドルは主要10通貨全てに対して上げた。

中国による米重要技術分野への投資制限を巡り、トランプ大統領はムニューシン財務長官の比較的穏やかな手法を支持する可能性を示唆。これを受け、ドルは対円でこの日の高値を付けた。ハセット米大統領経済諮問委員会(CEA)委員長は米国が中国と欧州連合(EU)から関税引き下げを勝ち取る可能性は高いと述べた。ライアン米下院議長は不公正な貿易慣行に対抗する上で、「関税引き上げよりも良い手段がある」と語った。

トランプ大統領は朝方、ハーレーダビッドソンが新たな貿易関税を一部生産の国外シフトという既存計画の口実に使っているとして同社を非難した。

ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日比0.3%上昇。ドルは対円で0.3%上昇の1ドル=110円06銭。対ユーロでは0.5%高の1ユーロ=1.1648ドル。

アトランタ連銀のボスティック総裁は貿易戦争に陥れば、リスクは下振れ方向にシフトすると発言。ダラス連銀のカプラン総裁は関税の経済全体への影響に言及するには時期尚早だと述べた上で、長期債の利回りは将来の弱い成長見通しを示していると語った。

欧州中央銀行(ECB)政策委員会のメンバー、レーン・アイルランド中銀総裁はインフレは回復しつつあるが、依然として目標を下回っていると話した。

欧州時間の取引

主要通貨にとって株式相場が主な材料となった。主要データの発表が少なく、貿易を巡る世界的な対立を巡って新たな展開がない中、ポジション調整にほぼ終始した。

原題:USD Extends Gains After Trump Pivots on China Curbs: Inside G-10(抜粋)
Euro Drops as Investors Look for Trade War Winners: Inside G-10