• テスラは上海への投資額を明らかにしなかった
  • どうやって資金を賄うかが投資家にとって大きな問題とアナリスト

電気自動車（ＥＶ）メーカーの米テスラは10日、中国・上海にＥＶの新工場を建設することで上海市政府と合意した。同社が米国外に工場を設けるのは初めて。

上海での式典に出席するテスラのイーロン・マスク最高経営責任者（ＣＥＯ）（中央右）、出典：テスラ

投資額は公表されなかった。テスラの広報担当が電子メールで明らかにしたところでは、当局の認可が下り次第、着工する予定で、２年ほどで生産が始まる見通し。年産約50万台の生産能力に達するのはそれから２、３年先になる見込み。

テスラは１年余り前から生産工場の開設に取り組んでいた。中国国内に外国自動車メーカーが100％所有する生産施設が建設されるのは初めてとなる。しかし、今回、投資規模の詳細が公表されなかったことは、１－３月（第１四半期）末時点でテスラの手元資金が27億ドル（約3000億円）にとどまったことから注目される。テスラは「モデル３」の生産ペース引き上げに難航する中で、巨額の手元資金を投じてきた。

ロバート・Ｗ・ベアードのアナリスト、ベン・カロ氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「強気派であれ弱気派であれ、投資家にとって現在最大の問題はテスラがどうやってその費用を賄うかだ。テスラは資本を得る必要があるだろう」と指摘した。

原題：Tesla’s Missing Number in China Factory Agreement: The Price Tag（抜粋）