[ニューヨーク 13日 ロイター] –
終盤のニューヨーク外為市場で、ドルが主要通貨バスケットに対し下落。中国の6月の対米貿易黒字が過去最大に膨らんだことを示す統計を受け、米中貿易の緊張が高まるとの懸念からドルに逃避買いが入る場面もあったものの、米株価上昇し、週末を控え比較的薄商いとなったことから下げに転じたことが指摘された。

主要通貨6指数に対するドル指数は0.07%安の94.740。一時95.241まで上昇し、6月29日以来の高値を付けた。円は一時対ドルで半年ぶり安値となる112.79円を付けたものの、その後は上げに転じ0.2%高の112.30円で推移。ユーロ/ドルは一時9日ぶり安値となる1.1610ドルを付けたものの、その後は前日比ほぼ横ばいの1.1680ドル。人民元はオフショア取引で一時0.5%安の1ドル=6.7250元と、3日に付けた11カ月ぶり安値の6.7326元に迫った。

アナリストによると、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が前日、減税策や歳出拡大策で経済が少なくとも3年間は押し上げられるとみられる中、米経済は良好な位置にあるとの考えを示したことを受け、朝方にはドル買いが先行した。パウエル議長は来週議会で経済・金融政策に関する半期に一度の議会証言を行う。これに先立ち、FRBは同日、半期に一度の報告書を議会に提出。年前半の米経済は底堅く成長しており、引き続き緩やかな利上げが適切との認識を示した。

ムニューシン米財務長官が中国との通商問題について、中国側に構造的な変革を行う意思がある場合、米国は交渉を再開する可能性があるとの考えを示したことを受け、貿易摩擦巡る懸念が一部後退した。

この日は下落したものの、市場ではドル上昇軌道に変更はないとの見方が根強い。アムンディ・パイオニア・インベストメンツの為替戦略ディレクター、パレッシュ・ウパドヤヤ氏は、貿易戦争を巡る懸念が世界経済成長への下振れリスクを浮き彫りにし、ドルへの追い風となる中、「ドル上昇に歯止めをかける要因を想定することは困難」との認識を示した。

ドル/円
NY終値112.36/112.39
始値 112.60
高値 112.64
安値 112.28

ユーロ/ドル

NY終値1.1685/1.1686
始値 1.1622
高値 1.1688
安値 1.1619