連日の猛暑で西日本の集中豪雨の被災者だけではなく、日本中がうんざりするような生活を余儀なくされている。お互い耐え抜くしか手はないのだが、心配なのは2020年7月24日に開催日を迎える東京オリンピック・パラリンピックだ。なぜ、日本が猛暑を迎える7月に開催するのか。第1回目の東京オリンピックのように晴天が続き、過ごしやすい10月に開催するのが筋ではないか。ずっと疑問に思ってきたし、連日の猛暑で特集を組むテレビを見ながら家庭内でもテレビ桟敷で話題になっていた。猛暑を大々的に特集するテレビも新聞も、この件については全く触れていない。開催日がどういう事情で7月になったのか、その経緯についてもメディアは知ってかしらずか、全く無視しているのである。
個人的なドタ感だが、メディアはその理由を知っている。すでにどこかで報道されているのかもしれない。知らない方がおかしいのかもしれない。NHKの番組に登場するチコちゃんではないが、「ボーと生きてんじゃねーよ」と言われるような気もする。その開催時期について、ついにNHKが口火を切った。「連日、猛烈な暑さが続く中、海外のメディアからは、2年後の東京オリンピックの開催時期を不安視する報道が相次いでいます」と報道したのだ。NHKのサイトによると発信時間は本日の 4時43分となっている。残念なのはNHKが主体的に報道したわけではないということだ。海外メディアの報道を引用する形で伝えている。何か報道協定でもあるのだろうか。不都合な事実には蓋をする日本メディアのいつものパターンなのかもしれない。
NHKによると24日付けのアメリカの有力紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」は、日本で続く猛暑について特集記事を組み、危険な暑さで死亡する人が相次いでいるなどと伝えている。その上で、「1964年の東京オリンピックは厳しい暑さを避けるために10月に開催されたことや、2022年にカタールで開催されるサッカーワールドカップは冬の時期にずらしたことを紹介し、東京オリンピックの開催時期も再検討すべきではないかとの見方を示しています」とある。間接的に開催時期の見直しを要求しているような記事だ。またイギリスの有力紙「ガーディアン」の電子版は、「日本で熱波。2020年のオリンピックに懸念」という見出しをつけて、選手や観客が熱中症などの危険な状態になる可能性があると指摘し、開催時期を不安視していますと伝えた。裏の事情はわからないが、海外メディアは当たり前のことを当たり前に報道している。どうして日本のメディアは報道しないのだろう。個人的には見直論に大賛成。