• 日銀政策会合と黒田総裁会見、フェイスブック・ショック広がる
  • 脱ニューノーマル、アップル決算、株式相場の調整警戒
黒田総裁、Photographer: Stefan Wermuth/Bloomberg

「日銀への注目度が比較的低かった時代は終わった。今回の政策会合はその結果いかんにかかわらず、市場を動かすだろう」。ブルームバーグに寄稿するマクロストラテジストのキャメロン・クライス氏は述べました。黒田総裁の定例会見は午後3時半に予定されています。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

副作用

日本銀行は金融政策決定会合を開き、当面の運営方針を発表する。金融市場調節方針は現状維持とみられており、金融機関への悪影響や市場機能低下など累積する副作用を軽減する方策が打ち出されるかに注目が集まっている。日銀は早期の正常化に向かうと受け取られない形での副作用軽減策に焦点を絞っており、現時点で大きな政策変更の可能性は低い。仮に副作用対策が打ち出されても技術的な内容にとどまるとの見方が優勢。

ショック波及

30日の米株式市場では米テクノロジー銘柄が3営業日続落。「FAANG」で知られる大型ハイテク企業のパフォーマンスが金利上昇・成長減速の環境下でどうなるかへの懸念が高まっている。この日はFAANG銘柄が全て下落。一時はネットフリックスが約6%安、フェイスブックが約5%安となった。フェイスブックとアマゾン・ドット・コム、ネットフリックス、グーグル親会社アルファベットが組み込まれたFANG指数は3営業日続落し、この期間の下落率は10%に近づいた。

独り抜け

モハメド・エラリアン氏は米国が「ニューノーマル」に別れを告げる時が来たと述べた。独アリアンツの主任経済顧問で、ブルームバーグにコラムを寄稿する同氏は、米国経済が金融危機後の低迷からようやく抜け出したと指摘。ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで「米国だけがこのニューノーマルを脱した。今は2.5ー3%というより高水準での均衡成長を目指している」と述べた。

サプライズ警戒

アップルは31日に4-6月(第3四半期)決算を発表する。iPhone(アイフォーン)の次期機種に関する情報と、最新機種「X(テン)」の売れ行きが注目される。米中貿易摩擦に対する経営幹部の考えも、焦点の一つになりそうだ。アナリスト調査では売上高は523億ドル(約5兆8000億円)が予想されている。アップルの自社予想とほぼ整合するこの数字は、前年同期比で約15%の増収に相当、4-6月期の増収率としては2015年以来の高い水準を意味する。

不吉な兆候

S&P500種採用銘柄のうち、85%以上が予想を上回る四半期決算を発表したにもかかわらず、景気循環株が思うように上昇していないのは不吉だとモルガン・スタンレーは指摘。マイク・ウィルソン氏ら株式ストラテジストのリポートはこの3営業日の下げについて、「売りは始まったばかりであり、2月以来の大規模な調整に入るだろう」と警告している。

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