長時間労働が問題になるなか、厚生労働省が昨年度、立ち入り調査を行った全国の事業所のうち、違法な長時間労働が行われていたのは全体の半数近くに上ったことがわかりました。

厚生労働省は長時間労働への対策として、過労死が起きるなどした事業所を対象に立ち入り調査を行っていて、昨年度は2万5676か所を調査しました。

その結果、労使協定の上限を超える違法な長時間労働が行われていた事業所は1万1592か所と全体の半数近くに上りました。

また、このうちの74%にあたる8592か所で、1か月当たりの残業時間が過労死ラインとされる80時間を超えている人がいました。
なかには、1か月で310時間の残業を行わせていたところもあったということです。

長時間労働を是正するため、ことし6月に成立した働き方改革関連法で、時間外労働の罰則付きの上限規制が大企業では来年の4月1日から、中小企業では再来年の4月1日からそれぞれ始まります。

厚生労働省は「違反を行う事業所は依然として多く、長時間労働の是正に向けて監督指導を徹底したい」としています。