• 新興国通貨の動き、指数の示唆より全般的に小さい-ゴールドマン
  • ファンダメンタルズ面から、さらなる波及は限られる-パンドル氏ら
Bloomberg

深刻化するトルコ危機の新興国市場全体への波及を懸念する投資家は、ゴールドマン・サックス・グループのスピルオーバー(波及)指数に幾らか安堵(あんど)を覚えるかもしれない。

ゴールドマンは10日のリポートで、ロシア・ルーブルを除き、最近の新興国通貨の動きはトルコ・リラ急落にもかかわらず、同指数が示唆したよりも全般的に小さかったと指摘した。同行は新興国通貨に対するリラの影響を予測するため、最近のアルゼンチン・ペソ低迷に関する分析を生かした。

ザック・パンドル氏(ニューヨーク在勤)を含むストラテジストらは 「ファンダメンタルズの観点から、さらなる波及は限られるだろう」と予想。 「比較的良好なファンダメンタルズを備えた他国への波及が続くとしても、そうした市場はわれわれが機会を模索する場所だ」と述べた。

トルコのエルドアン大統領が米国からの政治的要求と市場の圧力に屈することを拒む中、リラは先週21%急落して最安値を更新。主要な新興国通貨で構成するMSCIの指数は1%下落した。

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ゴールドマンによると、トルコの苦境は「しばらく」前から始まっていたため、投資家にはポジション調整の機会があった。主要新興国バスケットにおける比較的小さなトルコの貿易加重と銀行エクスポージャーを踏まえれば、ファンダメンタルズ上のつながりは大きくないと付け加えた。
原題:Goldman’s Spillover Index Shows Limited Contagion Risk From Lira(抜粋)