【ウラジオストク(ロシア極東)=畑武尊】ロシアのプーチン大統領による日露平和条約の年内締結の提案を巡り、ペスコフ露大統領報道官は12日、領土問題の交渉に「数十年の時間を要する」と記者団に述べた。北方領土問題と平和条約締結交渉を切り離す提案だとの認識を示したものだ。

 プーチン氏は12日の東方経済フォーラムの全体会合で唐突に、「今、思いついた」「冗談ではない」などと述べながら、北方領土問題の解決を事実上棚上げにし、年内に日露平和条約を締結することを安倍首相に提案した。

 プーチン氏の提案は、2001年に友好関係の基礎を固める「善隣友好協力条約」を結んだ後、04年に領土問題を最終的に解決することで合意した中国との国境画定が念頭にあるとみられる。