トランプ米大統領の元選対本部長、ポール・マナフォート被告は、マネーロンダリング(資金洗浄)などでの有罪を認めた。2016年米大統領選へのロシア介入疑惑を捜査するモラー特別検察官のチームは、同被告が捜査に協力していることを明らかにした。

マナフォート被告、Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

マナフォート被告は14日、ウクライナで親ロシア派政党のコンサルタントとして働いていた当時に10年間にわたって得た3000万ドル(約33億6000万円)余りを洗浄し、1500万ドルの脱税で米政府を欺いたほか、証人に不当干渉したことを認めた。

これにより、今後の注目はマナフォート被告にトランプ大統領が恩赦を与えるか否かという点から、同被告がモラー氏にどういった情報を提供できるのかという点に移った。罪状はどれもトランプ大統領に関する仕事とは関係ないが、マナフォート被告は選挙運動中、トランプ氏の側近を何カ月にもわたって務めたほか、同被告とロシアとのつながりには検察が極めて強い関心を抱いている。

有罪答弁の一環として、マナフォート被告は正当と判断された場合の検察当局への説明や文書の作成、証言に同意。今回の司法取引には「完全かつ誠実」な協力が義務付けられていることを理解しているかとの判事の問いに対しては、「理解している」と答えた。

マナフォート被告は一部資産を没収されるほか、バージニア州アレクサンドリアの連邦地裁で下された銀行詐欺と税法違反についての有罪評決で控訴する権利を放棄した。その代わり、多額の法的請求や今後起こり得る訴追を回避し、寛大な刑を期待できる。捜査協力が終わるまで判決は下されず、その後検察官はバージニアでの残りの訴因を棄却することになる。

ホワイトハウスのサンダース報道官は有罪答弁の報道に対し、「大統領にも2016年大統領選挙キャンペーンでの勝利とも全く関係ない」と述べた。

原題:Mueller Wins Cooperation in Deal With Ex-Trump Campaign Head (1)(抜粋)