• 金正恩朝鮮労働党委員長、年内にもソウルを訪れる可能性
  • トランプ米大統領:非核化協議の前進で金正恩氏を称賛

平壌訪問中の韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は19日、共同宣言に署名した。北朝鮮は国際査察団の監視下での主要ミサイル試験場の解体など、非核化に向けた措置を講じることで合意した。

これについてトランプ米大統領は18日遅くにツイッターで、非核化に向けた追加措置に同意した北朝鮮の金委員長を称賛し、こう着状態にある交渉が再び軌道に乗る可能性を示唆した。同大統領は、金委員長が核査察受け入れやミサイル実験場の解体、韓国と共同で2032年夏季五輪を開催する提案などの議論に踏み出したことについて、「極めてエキサイティングだ!」とコメントした。

南北首脳の共同宣言によれば、北朝鮮は、米国が北朝鮮の行動に報いる措置を講じれば、寧辺の核実験場を廃棄する追加措置の用意があるとしたが、詳細は明らかにしなかった。文大統領は共同記者会見で、両国は非核化に向け取り組むことと、南北軍事境界線沿いに平和地帯を設けることでもあらためて合意したと語った。

平壌宣言署名後の南北両首脳、Source: Korea Broadcasting System via AP Photo

金委員長は共同会見で、「われわれは朝鮮半島を核兵器も核の脅威も存在しない平和な地にするよう積極的に取り組むことで合意した」と語った。文大統領によると、金委員長は年内にソウルを訪れる可能性が高い。

文大統領は、「金委員長はきょう、朝鮮半島の非核化への道筋を明確に示した」とし、朝鮮半島の完全な非核化は「遠くない」と発言。「両国は非核化の最終的な達成に向け、米国および国際社会と共に取り組むことで合意した」と述べた。

共同宣言に盛り込まれた他の重要ポイントは以下の通り。

  • 両国は年内に既存の鉄道と道路の接続を開始する
  • 両国は朝鮮戦争で離散した家族のための常設面会所を近く開設すると決定したと文大統領は述べた。まずは動画や手紙をやり取りできるようにする
  • 両国は2032年夏季五輪の共同主催提案を目指す考えであり、2020年東京五輪などに南北統一チームで参加する
  • 開城工業団地と金剛山観光地区事業の正常化でも合意。条件が合えば、西海(黄海)に共同経済特区を設ける
  • 非武装地帯の監視所をそれぞれ11カ所ずつ撤廃することと、戦死者遺体の共同発掘事業、緩衝地帯設置でも合意

原題:Trump Praises North Korea’s Kim for Progress in Nuclear Talks(抜粋)