• 米国との貿易戦争が続く中、輸入拡大を図る
  • 米国からの輸入品にどう影響するかはまだ明らかでない

中国は大半の貿易相手国からの輸入品に課している関税の平均税率を来月にも引き下げることを計画している。事情に詳しい2人の関係者が未公開情報だとして匿名を条件に述べた。米国との通商対立が深まる中、消費者の負担緩和を図る。

李克強首相は19日、詳細には言及しなかったものの関税をさらに引き下げると表明していた。実際に減税に踏み切った場合でも、それが米国からの輸入にどう影響するかは今のところ明らかでない。こうした細部は、中国当局が関税引き下げ対象品の概要を示して初めて分かることになるとみられる。世界貿易機関(WTO)ルールでは、関税引き下げは通常、全ての国に等しく適用しなければならない。

中国は減速しつつある景気を支えるため国内消費の刺激を図っており、7月にも幅広い消費財の関税を引き下げた。今回の関税引き下げ計画は、中国が表明している輸入拡大方針にも合致している。ピーターソン国際経済研究所(ワシントン)の中国専門家、ニコラス・ラーディー氏は「市場開放という中国の長期戦略に沿った動きだ」と述べた。

ブルームバーグ・エコノミクスの舒暢氏は「引き下げのタイミングは、国内外の情勢を考慮し、関税が通商紛争における戦術として利用されることを示唆する。米国を含む大半の貿易相手国を対象とした税率引き下げは、緊張緩和に向けた中国の努力を示すことになろう」と分析した。

オーバーシー・チャイニーズ銀行の謝棟銘エコノミスト(シンガポール在勤)は「中国は関税を一段と下げることで、貿易戦争がどのように展開したとしても改革開放路線を維持するとのメッセージを送っている」と述べた。

中国財政省および米通商代表部(USTR)にこの件でコメントを求めたが、いずれも現時点で返答はない。

中国が最恵国待遇(MFN)の国に課している平均関税率は9.8%で、多くの先進国に比べて依然高い。米国のMFN税率は2017年で平均3.4%。

原題:China Said to Plan Broad Import Tax Cut as Soon as October (1)(抜粋)