[ニューヨーク 26日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場は値動きが荒い中、ドルがやや上昇した。米連邦準備理事会(FRB)が予想通り利上げを実施し、さらなる利上げの見通しを示したほか、「緩和的」政策の終了を示唆したことを材料視した。

連邦公開市場委員会(FOMC)声明公表を受け、ドルはユーロと円に対して一時下落したが、市場参加者らが声明内容を消化し、徐々に小幅上昇に転じた。

FRBはフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を2.00─2.25%に引き上げることを決定した。今回の声明では、金融政策の運営姿勢は引き続き「緩和的」との文言が削除された。

フィッチ・レーティングスのディレクター、ロバート・シエラ氏は「FOMC声明から『緩和的』との文言が消えたことで、失業率が数十年ぶりの低水準に向かう中、FRBがなお追加利上げを行う方向にあることが確認できた」とし、「FRBが引き続き、堅調な国内情勢を注視しており、貿易問題を巡る不安や、このところの新興国市場の混乱ぶりはこの日の決定に影響を及ぼさなかった」と話した。

TD証券(トロント)の北米外為戦略部門責任者、マーク・マコーミック氏は、声明から「緩和的」との文言が削除されたことについて、ハト派的なシグナルと受け止め、このことがドルが当初値下がりした原因と話した。

「これはFRBが多かれ少なかれ中立的なスタンスであることを示している。あと数回の利上げがあるとの予想が示されたものの、利上げは打ち止めに近い可能性がある」と指摘した。

パウエルFRB議長は、「緩和的」の文言削除について、金融政策が予想通り推移していることを示すとの認識を示した。

午後の取引で、主要6通貨に対するドル指数.DXYは0.1%高の94.179。

政策決定を受けて、ユーロは対ドルで一時、取引時間中の高値を付けたが、その後0.3%安の1.1734ドル。

ドルは対円JPY=でやや値上がりして113.01円。

FOMC声明は今後の利上げについて、12月にあと1回、来年3回、2020年に1回との見通しを示した。

ドル/円
NY午後3時 112.85/112.86
始値 112.91
高値 113.13
安値 112.69

ユーロ/ドル
NY午後3時 1.1760/1.1762
始値 1.1748
高値 1.1797
安値 1.1727