米自動車大手フォード・モーターのハケット最高経営責任者(CEO)は26日、米ブルームバーグテレビで、米国による鉄鋼などの輸入制限で資材費が値上がりし「10億ドル(約1100億円)の利益を失った」と述べた。米メディアによると、今年と来年分のコスト増加の見通しだという。
米国は3月、安全保障上の脅威を理由に鉄鋼に25%、アルミに10%の関税を上乗せした。ハケット氏は「皮肉なことに(鉄鋼などの)大部分を米国内で調達している」と輸入制限が国内製品の価格上昇も招いたと批判。「長期化すれば、打撃はさらに大きくなる」と貿易摩擦の解消を訴えた。
貿易摩擦は商品戦略にも影を落とす。トランプ政権が7月に中国から輸入する自動車に25%の追加関税を課したのを受け、フォードは来年に始める予定だった中国からの小型車「フォーカス」の輸入を断念した。(共同)
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