[ニューヨーク 4日 ロイター] – ニューヨーク外為市場で、米10年債利回りが7年ぶりの水準に急伸する中、ドルが対ユーロと円で下落した。ただ、対円では一時114円台半ばに値上がりする場面も見られた。

米債利回り上昇は、前日発表された堅調な米経済指標や、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の米経済を巡るタカ派的な発言を受けた動き。ユーロ/ドルも前日、主要な支持線を試す展開となった。TDセキュリティーズの為替戦略北米主任、マーク・マコーミック氏は「市場参加者は引き続き、相場の材料を見極めようとしている」と述べた。

賃金の伸びや労働市場の力強さがあらためて示されるか、5日発表の9月米雇用統計が注目される。円は対ドルで一時11カ月ぶり安値となる114.54ドルを付けた。その後は113.79円近辺まで回復した。日銀が長期金利の上昇を容認する構えとのニュースが円を下支えた。シティグループのアナリストは、ドルが114.32─114.73円にある抵抗線に直面していると指摘。市場参加者がドルの一段高に対し慎重となっている可能性がある。

イタリアの財政赤字や予算案、欧州連合(EU)との関係を巡る不透明感が重しとなる中、ユーロ/ドルは一時6週間ぶり安値を付けた。ただ、終盤の取引では、約0.35%高で推移。

ドル/円
NY終値 113.90/113.93
始値 114.31
高値 114.34
安値 113.64

ユーロ/ドル
NY終値 1.1513/1.1517
始値 1.1499
高値 1.1541
安値 1.1493