[ニューヨーク 19日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、ユーロとポンドが対ドルで上昇。メイ英首相が欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)交渉で最大の懸案となっている要求を取り下げる用意があるというブルームバーグの報道が材料視された。

ブルームバーグによると、メイ首相はアイルランド国境問題で主要な要求の一つを取り下げる構えという。EUのバルニエ首席交渉官はこ
れに先立ち、ブレグジット交渉の進捗は90%に達しているが、アイルランド国境問題が引き続き障害となっており、合意に達しない可能性もあるとの認識を示していた。

ユーロ/ドルは1.1512ドルに上昇。一時、9日以来の安値となる1.1433ドルを付ける場面もあった。ポンド/ドルも1.3067ドルに上昇。一時は1.3009ドルと、2週間ぶり安値を付けた。

BMOキャピタル・マーケッツの為替戦略グローバル主任グレッグ・アンダーソン氏は、週末を前にユーロをショートにしていた投資家の
間で利益を確定させる動きが出たこともユーロを支えたと指摘。ただ、イタリア予算案を巡る同国と欧州委員会の緊張に対する懸念は今後もユーロへの圧迫要因となる可能性もある。

カナダドルは対ドルで5週間ぶり安値を更新。同日発表された9月の消費者物価指数(CPI)と8月の小売売上高がともに市場予想を下
回ったことを受けた動き。ただ、カナダ中銀が来週、追加利上げを見送る公算は小さいとみられている。

ドル/円
NY終値 112.54/112.56
始値 112.36
高値 112.64
安値 112.37

ユーロ/ドル
NY終値 1.1513/1.1516
始値 1.1460
高値 1.1534
安値 1.1458