[ロンドン 4日 ロイター] – 英国の欧州連合(EU)離脱を巡り、英首相府は、英国全土を対象とした関税の枠組みが、法的拘束力を持つ離脱協定に盛り込まれる、との新聞報道を「憶測」として否定した。

英紙サンデー・タイムズは、この枠組みにより北アイルランドの扱いを英本土と区別する必要がなくなり、懸案事項となっているアイルランド国境問題の解決につながると報じた。

ロイターがEU当局者の話として2日に報じたところによると、EUは英国に対し、英国全土を対象とした関税の枠組みによって英国は北アイルランドをEUに合わせると同時に、通商規則を設定する一定の余地を得られると提案した。

ブロークンシャイア英住宅相は4日、BBCに対し、北アイルランドを巡っては依然問題が残っているとし、「この問題が引き続き焦点だ」と述べた。

英首相府の報道官はサンデー・タイムズの報道について、「全て憶測だ。首相は将来の関係を巡る協議で前向きな進展を得ていることを明確にしている。離脱協定は95%合意済みで、交渉は継続している」と説明した。

サンデー・タイムズによると、メイ政権は6日の閣議でこの件について協議する予定で、メイ首相は9日までに十分な進展を遂げ、EUが臨時首脳会議の開催を発表できることを期待しているという。

EU外交官は2日にロイターに対し、暫定的に11月17─18日に予定されている臨時首脳会議までに合意するとは見込んでいないと述べたが、その1週間後には合意できる可能性があるとの見方を示した。