[ワシントン 9日 ロイター] – トランプ米大統領は9日、メキシコ国境からの不法入国者に対し、難民資格の付与を事実上制限する大統領令に署名した。10日に発効し、通関手続き地を通る入国者に難民申請資格を認める。
トランプ氏は記者団に「難民に関する大統領令に署名した。非常に重要だ」と指摘。「入国は可能だが、通関手続き地を通る必要がある」と述べた。大統領令の有効期間は90日か、メキシコを通過した難民希望者の送還が可能となる合意を同国と締結するまでのいずれか短い期間とした。
米当局者らによると、保護者が同伴していない外国籍の子どもに停止措置は適用しないという。移民支援団体はトランプ政権の方針について、既存の国内法に違反し、迫害や暴力から逃れた難民の保護を不公正な形で制限する内容と訴え、批判している。司法の場で間もなく争われる公算も大きい。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は「難民保護や人道支援を必要とするあらゆる人が保護や支援を受けられるよう、米国を含めすべての国による確実な対応を期待する」との声明を発表した。
カリフォルニア州の連邦控訴裁判所は前日、幼少期に親と米国に不法入国した若者「ドリーマー」の強制送還を猶予する「DACA」プログラムについて継続が必要と判断し、トランプ政権が敗訴した。
この司法判断についてトランプ氏は、最高裁への上訴が可能となり朗報との認識を表明。「DACAは最高裁で争われることが期待され、公正な判断が示されるだろう」と語った。