【北京時事】中国メディアによると、中国の科学者が26日、遺伝子組み換え技術により生まれながらにエイズウイルス(HIV)に対する免疫を持つ赤ちゃんを世界で初めて誕生させたことを明らかにした。しかし、倫理上の問題を無視した試みに国内外の中国人科学者122人が連名で非難声明を発表。当局も調査に乗り出すなど大きな波紋を呼んでいる。
中国のHIVとエイズ、感染・患者数は82万人超 性交渉感染が主
この科学者は、賀建奎・南方科技大学副教授。エイズに抵抗力を持つ遺伝子を注入した受精卵から、2人の女の子が今月生まれ、「露露」「娜娜」と名付けられたという。賀氏は「遺伝子組み換え技術を疾病予防の分野に用いた歴史的一歩」と強調した。
しかし、倫理的な手続きを経ておらず、所属する広東省深セン市の大学も一切の関与を否定。中国人科学者の非難声明は「狂っているとしか形容しようのない人体実験だ」「人類全体に対するリスクは計り知れない」などと糾弾している。