• 中立を「わずかに下回る」とパウエル議長、英無秩序離脱なら大打撃
  • 輸入車関税に乗り気か、住宅低調水を差す、ギャラクシー・デジタル

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は講演で政策金利について、中立とされるレンジを「わずかに下回る」水準にあるとの見解を示しました。10月の時点では、中立金利まで「長い道のりがある」と語っていたことから、市場では議長の姿勢がハト派寄りに傾いたとの見方が広がりました。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

利上げペース鈍化か

政策金利は中立のレンジを「わずかに下回る」水準とのパウエルFRB議長の発言を受け、市場では金融当局が利上げペースを鈍化させるとの見方が広がった。10月の発言後には、市場は積極的な利上げが続くとみていた。28日の金融市場では、議長講演に反応して株式相場が上げを拡大、一方でドルは下げに転じた。

無秩序な離脱の影響

メイ英首相の欧州連合(EU)離脱計画を議会が拒否し無秩序な離脱に至った場合、英経済が15年間にわたって被る打撃は甚大なものになると、政府が分析した。報告書によれば、無秩序離脱の場合、国内総生産(GDP)は2034年までに、EUに残留した場合と比べて最大10.7%低くなるとの見通しを示した。またイングランド銀行(英中央銀行)も無秩序離脱の場合の影響について報告書を公表。英経済は少なくとも第2次世界大戦以降で最悪の不況に陥る恐れがあると警告した。

チキンタックス

トランプ米大統領は輸入車に25%の関税を賦課する可能性を改めて示した。米ビックアップトラック市場では25%の輸入関税が奏功し、米メーカーが優勢を保っているとツイート。同様の関税が輸入車に適用されれば、米国内での生産が増えると指摘した。輸入ピックアップトラックへの25%関税は、米国が1960年代に当時の西ドイツに対して導入した「チキンタックス」関税の一環で、現在も撤廃されることなく続いている。

経済堅調も住宅は低調

7-9月(第3四半期)の米実質国内総生産(GDP)改定値は前期比年率3.5%増加し、速報値と変わらず、堅調な成長の土台を維持した。一方、10月の新築一戸建て住宅販売は前月比8.9%減の54万4000戸で、2016年3月以来の低水準となった。借り入れコストや住宅価格の上昇で買い手控えが広がっている。

仮想通貨で大損

マイク・ノボグラーツ氏が設立した仮想通貨マーチャントバンク、ギャラクシー・デジタルのトレーダーにとって今年は散々な1年だ。当局に今週提出された文書によると、ギャラクシー・デジタルはトレーディング事業のデジタル資産で、7-9月に未実現分も含め約4100万ドル(約46億7000万円)の純損失を計上。これで1-9月の純損失は1億3600万ドルに達した。

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