フランスで燃料税の引き上げに抗議するデモが収まらない中、マクロン政権は、来年の引き上げは断念したことを明らかにしました。いったんは燃料税の引き上げを6か月間見合わせると発表したものの、抗議が続いていたことから、来年は引き上げないと表明し、事態の収束を図りたいものとみられます。
フランスでは、マクロン政権が地球温暖化対策として来月から予定していた燃料税の引き上げに抗議するデモが全国に広がりました。とりわけ首都パリでは1日、デモ隊が暴徒化して130人以上がけがをし、観光名所の凱旋門の一部が破壊されるなど、深刻な被害が出ています。
こうした中、5日夜、テレビ番組に出演したドルジ環境相は、燃料税の引き上げについて、「今晩、マクロン大統領と電話で話し、2019年は引き上げを断念することになった」と述べました。
この前日には、マクロン政権が燃料税の引き上げを6か月間見合わせて環境政策や税制の在り方を議論したいという方針を発表したばかりでした。しかし燃料税引き上げの見合わせを発表したあとも、各地で道路を封鎖するといった抗議行動が続き、8日も再び大規模なデモが呼びかけられています。このためマクロン政権としては、来年は引き上げないと表明することで、事態の収束を図りたいものとみられます。