【パリ時事】フランスで8日、燃料税増税への抗議運動に端を発したデモが行われ、AFP通信によれば、全土で約3万1000人が参加し、パリで650人以上、仏全体では950人以上が拘束された。治安当局が全土で警官ら約9万人を動員して厳戒態勢を敷く中、シャンゼリゼ通りなどパリ中心部でデモ隊と治安部隊が衝突し、当局側は催涙弾と放水車で対応。仏メディアは、パリで30人以上が負傷したと報じた。
エリゼ宮(大統領府)周辺は安全確保のためデモ開始前から封鎖され、住民以外の通行が禁じられた。また、デモ隊が過激化する事態を懸念し、パリのエッフェル塔や美術館、デパートなどが臨時休業した。
毎週土曜に行われるデモは回を重ねるごとに激化し、今回で4回目。1日のデモでは、仏全土で治安部隊を含む260人以上が負傷、680人以上が拘束された。事態を重く見た政府は5日、燃料税の来年中の引き上げを断念した。しかし、大学の学費値上げなどに反対する高校生や大学生らも抗議運動に合流し、収束の兆しは見えていない。
フィリップ首相は7日夜、抗議運動を呼び掛ける団体の代表らと面会した。団体メンバーの1人は「これは緊急事態だ。大統領はわれわれが表明した不満を考慮しなければならない」と語り、マクロン大統領との対話を要望した。
7日付の仏経済紙レゼコーによると、調査会社エラブの世論調査で、マクロン大統領の支持率は就任以来最低の23%に落ち込んでいる。(2018/12/09-01:28)