[ミュンヘン/サンフランシスコ 20日 ロイター] – 米アップル(AAPL.O)は20日、ドイツの裁判所がアップルが米半導体大手クアルコム(QCOM.O)が保有するハードウエア特許に違反しているとの判断を下したことを受け、上告するまでの間、一部iPhone機種の独国内の直営店での販売を差し止めることを明らかにした。 

独裁判所は特許違反により、特定の部品が搭載されている一部iPhoneは国内で販売できないと判断。ただ判事によると、今回の判断はアップルが上告すれば直ちに発効しないほか、クアルコムが同判断の施行を求める手続きを開始するには、6億6840万ユーロ(7億6500万ドル)の保証金を差し入れる必要がある。 

アップルは声明で、「こうした判断が示されたことは遺憾であり、アップルは上告する」と表明。「iPhoneのすべての機種は携帯電話キャリアと再販業者を通してドイツ国内4300カ所で引き続き入手可能となるが、上告手続きが進められる間、iPhone7とiPhone8は、ドイツ国内で15店展開するアップル直営店で入手できなくなる。ただ、iPhoneXS、iPhoneXS・MAX、iPhoneXRは直営店でも入手できる」とした。 

クアルコムは昨年7月にアップルをミュンヘンの地方裁判所で提訴していた。今回の判断についてクアルコムからコメントは得られていない。 

クアルコムとアップルは特許を巡り世界的に係争中で、今月に入ってからは中国の裁判所がiPhoneの旧機種の販売を差し止める仮処分を出している。

米当局はアップルはクアルコムの特許1件に違反したとの判断を下しているが、これまでのところ米国ではiPhoneの販売差し止めには至っていない。