【ワシントン時事】米ブルームバーグ通信は21日、トランプ大統領が中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の解任を議論したと報じた。利上げや株価下落に不満を募らせ、FRBが19日の金融政策会合で追加引き上げを決めた後、複数回にわたり側近と解任について話し合った。ただ、大統領が議長を解任する法的権限については明確ではないという。

 FRBは独立機関として金融政策を担う。大統領が議長の解任とともに政策に介入すると受け止められかねず、金融政策に対する信認に大きく傷が付きかねない。米国だけでなく、世界の金融市場に動揺が及ぶ可能性がある。

 報道によれば、トランプ氏は、FRBが19日に今年4回目の追加利上げを決め、株価が大幅に下落したことに不満を持ち、私的会話の中で側近らに議長解任について言及した。複数の側近は、解任が「破滅的な行為」になると警告したという。(2018/12/22-18:26)