ロシアのプーチン大統領は、音速の20倍の速さで飛行でき、「極超音速兵器」とも呼ばれる新型の核弾頭の開発を終え、来年から実戦配備する方針を明らかにし、アメリカのミサイル防衛網に対抗するねらいを強調しました。
ロシアのプーチン大統領は26日、首都モスクワで会見し、核も搭載できる新型の弾頭「アバンガルド」が、発射実験でおよそ6000キロ離れたカムチャツカ半島の演習場に計画どおり着弾し、一連の開発計画を終えたと明らかにしました。
「アバンガルド」はロシアが15年前に本格的に開発を始めた新型の核弾頭で、長さは5メートルほどで、翼を持ち、弾道ミサイルで打ち上げられ、上空で切り離されたあと水平に飛行し、敵のレーダーをよけながら攻撃する能力があるとされています。その速度は音速の20倍、マッハ20にも達することから「極超音速兵器」とも呼ばれ、アメリカのミサイル防衛網に対抗するためのロシア軍の切り札の一つとみられてきました。
プーチン大統領は「『アバンガルド』は仮想敵が、現在あるいは将来、保有するミサイル防衛網でも攻略できない。大成功であり偉大なる勝利だ」と述べたうえで、来年から実戦配備する方針を示し、アメリカをけん制しました。