[ニューヨーク 8日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場では、ユーロが下落しドルが上昇した。ユーロ圏の鈍化を示す指標を受け、域内景気の後退リスクに注目が集まった。 

ユーロは対ドルEUR=で0.3%安の1.1441ドル。ユーロ安を追い風に主要6通貨バスケットに対するドル指数.DXYは0.3%高の95.908となった。 

昨年11月のドイツ鉱工業生産指数が、上昇予想に反して3カ月連続で低下し、経済鈍化懸念を浮き彫りにした。 

ドルはこの日持ち直したものの、見通しはなおさえない。 ドル指数は昨年12月半ば以降で2%程度下落しており、前日に付けた約3カ月ぶりの安値(95.638)近辺にとどまっている。 

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は4日、利上げは既定路線でなく、市場が織り込む下振れリスクに対してFRBは敏感との認識を示した。 

アナリストらは、追加利上げ中止見通しがドルを圧迫し続ける公算が大きいと指摘。 TD証券の北米外為戦略部門責任者は、総じてドルに弱気の見方に傾き、「FRBが(利上げの)最終段階に近づき、米景気支援策の一時的効果が薄れる中、米国外の財政支援拡大見通しに伴い、今年は(各国間の)成長格差が縮小するとの見方が強まるだろう」と予想した。 

ドルは対円JPY=で小動きの108.63円。 

英ポンドは対ドルGBP=D3で0.5%安の1.2716ドル。トレーダーらは向こう数週間にわたって、相場が変動しやすい状況が続くとみている。メイ英首相は来週、欧州連合(EU)離脱協定案について議会の支持を得る必要があり、承認されなければ無秩序離脱に陥るリスクも指摘される。 

ドル/円 
NY午後4時 108.76/108.77 
始値 108.71 
高値 108.95 
安値 108.45 

ユーロ/ドル 
NY午後4時 1.1438/1.1442 
始値 1.1464 
高値 1.1468 
安値 1.1422