菅義偉官房長官は12日の衆院予算委員会で、首相官邸が記者会見での東京新聞記者の質問を「事実誤認」と指摘したことについて、会見の模様は国内外に配信されているとして「事実に基づかない質問で、誤った事実認識が拡散される恐れがある」と釈明した。国民民主党の奥野総一郎氏の質問に答えた。
菅氏は昨年1月と5月の会見で、国連関係者との面会や自らの発言を巡り、記者から「事実誤認」による質問があり、いずれも後に東京新聞側が認めたと指摘。これまでに9回ほど抗議したが繰り返されたため、昨年12月に会見を主催する記者クラブ「内閣記者会」に首相官邸報道室長名で「正確な事実を踏まえた質問」を申し入れたと説明した。奥野氏が「取材を受けて立ち、(会見の質問には)会見で反論するのが筋だ。文書まで出すのはどうか」とただすと、菅氏は「取材ではなく、決め打ちだ。いくら何でもやり過ぎだ」と語気を強めた。
安倍晋三首相は「国民の知る権利は当然大切なもので、尊重しなければならない」と強調。閣僚の一員である官房長官の1日2回の会見は諸外国でも例がないとして「最大限の努力を尽くしている」と述べた。【古川宗】