経済危機に陥っている南米のベネズエラでは極度の物不足の影響が首都カラカス市内の動物園にも及び、飼育していた動物の90%近くがこの1年で餌不足などで死にました。

ベネズエラでは、反米を掲げ独裁を続けるマドゥーロ大統領とアメリカの支援を受ける暫定大統領への就任を宣言したグアイド国会議長が対立しています。混乱は経済にも及び、極度の物不足によって多くの公共施設で機能が停止した状態に陥っています。

首都カラカスの動物園では大半のおりには動物の姿がなく、脱走したサルが放し飼いの状態になっています。動物園によりますと、1年前1500頭いた動物は、餌不足などによってすでに90%近くが死んだということです。

いま生き延びているのはヤギやライオンなど170頭だけで、多くは餌が満足に与えられずに痩せ細り、動物園は閉鎖の瀬戸際に立たされています。人気者だったゾウも去年の8月に餌不足で死に、見学に来た親子はゾウのおりの前で「動物も私たちも食べ物が足りないんです」と嘆いていました。