立憲民主党会派入りした岡田克也元外相ら旧民進党ベテラン議員が、国民民主党の若手議員の「勧誘」に乗り出した。国民が自由党との合流手続きを進める中、夏の参院選を前に立憲を軸にした野党結集をはかる狙い。思わぬ「争奪戦」を仕掛けられた国民執行部は反発を強めている。
複数の関係者によると、1月に衆院会派「無所属の会」(無会)を解散した岡田氏は、2月に国民の議員に接触していく方針を固め、安住淳・元財務相とともに、国民の1、2回生ら若手衆院議員に個別に面会。国民を離党して立憲会派に入るよう働きかけている。
岡田氏は「立憲と国民との結節点になる」として無会で1年間活動してきたが、立憲の枝野幸男代表が「数合わせにくみしない」と単独路線を変えず、野党第1党の立憲を軸に結集するしかないと判断。国民内の一部で自由との合流に反発が出て手続きに時間がかかっている状況を見定め、自ら勧誘に乗り出した。
国民の若手議員の一人は安住氏から「国民は参院選で潰れる。今のうちに立憲入りし、立憲を中心に野党を大きな固まりにしよう」と説得された、と明かす。
こうした動きに、国民の玉木雄一郎代表は反発。周辺に「いまだに足の引っ張り合い。もうこんなことは終わりにしないといけない」と不満をぶつけた。関係者によると、玉木氏は3月上旬に岡田氏とひそかに面会し、こうした懸念を伝えたという。
国民内では岡田氏らの動きについて「立憲内で重用されておらず、自らの存在感を示すため」と警戒感も出ている。
国民との合流に向けた政策合意にこぎつけた矢先での「横やり」に、自由の小沢一郎代表も反応。12日夜、国民の衆院当選1回生議員との食事会を初めて開き、自らの政治経験を語って聞かせた。(寺本大蔵、山岸一生)