【エルサレム、ワシントン時事】米軍の支援を受けるシリアのクルド人主体の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」は23日、過激派組織「イスラム国」(IS)が支配していたシリア東部バグズを制圧したと宣言した。バグズはシリアに残されたISの最後の拠点とされ、支配領域を持つ疑似国家としてのISは崩壊した。
SDF報道官はツイッターで「バグズは解放された。ISのいわゆるカリフ国家は完全に消滅した」と表明した。
トランプ米政権はこれを受け、米軍の早期撤収を図る方針だが、イラク、シリア両国に散らばったIS残党はいまだ数万人に上るとされる。米軍撤収による「力の空白」に乗じてISが勢力を盛り返す可能性もある。IS最高指導者アブバクル・バグダディ容疑者の所在が分からないままなのも不安要素だ。