【3月26日 AFP】中国の習近平(Xi Jinping)国家主席とフランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は25日、欧州に対する中国政府の大規模投資をめぐり警戒感が高まる中、欧州連合(EU)と中国の協力拡大を呼び掛けた。
両首脳はパリのエリゼ宮(Elysee Palace、仏大統領府)で会談した後、共同記者会見を行った。マクロン氏は、「力強い欧州・中国間連携」を呼び掛けるとともに、この連携は「力強い多国間主義」と「公正かつバランスの取れた」貿易に基づくものでなければならないと述べた。一方、習氏は「欧州の団結と繁栄は、多極的世界というわれわれの展望と調和する」とした上で、「中国は常に欧州の統合と発展を支持していく」と述べた。
両国は記者会見に先立ち、原子力、文化交流、クリーンエネルギーなどに関する十数件の合意文書に調印。中国側が欧州航空機大手エアバス(Airbus)のA320型旅客機290機、A350型旅客機10機を購入する大型契約も結ばれた。このほかフランスから中国への冷凍鶏肉輸出に関するものも含め、今回結ばれた契約の総額は約400億ドル(約4兆4000億円)に上る。
両首脳は26日、巨大な貿易規模を誇るEUと中国の「一致点」を探るため、アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)独首相、ジャンクロード・ユンケル(Jean-Claude Juncker)欧州委員会(European Commission)委員長を交えて4者会談を行う予定。また来月には、EU・中国首脳会議がブリュッセルで開かれる。(c)AFP