[ロンドン 27日 ロイター] – 英国のメイ首相は27日、議会が3度目の採決で自身の欧州連合(EU)離脱協定案を可決すれば辞任する意向を表明した。
与党・保守党の議員会合で、協定案が最終的に可決されれば退任し、将来の対EU関係を巡る交渉で新しい指導者が次の段階を進めるよう円滑な交代を約束する考えを示した。
メイ氏は「党内議員らの空気を非常にはっきりとつかんだ」とし、「離脱交渉第2段階で新たなアプローチ、新たな指導者が求められていると認識しており、妨げるつもりはない」と言明した。
首相官邸が公表した要約によると、メイ氏は「わが国、わが党にとって正しいことを行うため、意図していた時期も早く辞任する用意がある」と述べた。
政府は29日、メイ氏の協定案を議会に再び上程する見込み。首相官邸は、協定案の議会通過を仮定した上で、後任候補が5月22日以降に選出される見通しを示した。
保守党内のEU離脱推進派「ユーロピアン・リサーチ・グループ(ERG)」を率いるジェイコブ・リースモグ氏は、北アイルランドの地域政党、民主統一党(DUP)が支持か棄権すれば、メイ氏の協定案に消極的ながら賛成票を投じる考えを示した。
英タイムズ紙記者はERG筋の話として、陣営内の40人がメイ氏の協定案支持に回り、40人が態度未定と伝えた。承認獲得には党内で先に反対票を投じた75人が支持に回る必要がある。タイムズ紙によると強硬離脱派の旗頭、ボリス・ジョンソン氏もメイ氏の協定案支持に回ったもようだ。
保守党内には、メイ氏がより厳しい姿勢でEUと交渉しなかったため、混乱を招いたとの声が多く聞かれる。議員の1人は「避けて通れなかったことで、メイ氏は正しい決断を下したと感じている。メイ氏が党内の空気を実際に読んだことは驚きだった」と話した。