[ニューヨーク 12日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルがユーロに対して弱含んだ。トレーダーらによると、邦銀が独銀から航空機ファイナンス関連事業を買収する計画に伴う需要が見込まれ、ユーロが急伸した可能性があるという。
ユーロは対ドルEUR=で0.4%高の1.1295ドルと先月26日以来の高値を付けた。
中国経済安定化の兆しや好発進した米企業決算を受け、よりリスクが高いとされる資産への需要が高まった。ドルの対ユーロ相場は週間で4週間ぶりの大幅安を記録した。
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)(8306.T)は先月、傘下の三菱UFJ銀行が独DVBバンクから航空機ファイナンス関連事業を買収することで合意したと発表。貸出債権56億ユーロとその他事業基盤を譲り受ける。年内に譲渡を完了させる。
中国の3月貿易統計はドル建て輸出が前年比14.2%増加、伸びは5カ月ぶりの高水準となった。ドイツが経済成長率予測を下方修正する見通しとも伝わった。こうした背景から投資家のリスク選好意欲が強まったとアナリストらは指摘。2月のユーロ圏鉱工業生産指数が前月比0.2%低下し、市場予想より小幅なマイナスとなったこともプラス材料だった。
米銀大手JPモルガン・チェース(JPM.N)が発表した第1・四半期(1─3月)決算は利益が予想を上回った。企業決算が株式相場に悪影響を及ぼすという懸念が和らぎ、米国株が過去最高値付近に迫った。
ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズのシニア市場アナリスト、ジョー・マニンボ氏は「市場はお祭り気分だ。中国発の朗報が届き、米決算も幸先の良いスタートを切った。安全資産は劣勢となりドルがアンダーパフォームしている」と話した。
同様に安全資産とされる円に対して、ドルJPY=は0.35%値上がりした。 リスクセンチメントの動きに敏感とされる豪ドルAUD=は0.69%急上昇した。 英ポンドは対ドルで0.13%高の1.3071ドル。 英国の欧州連合(EU)離脱再延期を受けて目先のリスクが後退したほか、ドルが幅広く売られたのが背景だ。
トルコリラTRY=は0.5%安。政府が今週発表した経済改革計画が失望を誘った。
ドル/円
NY終値 112.02/112.03
始値 111.94
高値 112.09
安値 111.87
ユーロ/ドル
NY終値 1.1300/1.1305
始値 1.1311
高値 1.1325
安値 1.1293