[ワシントン 12日 ロイター] – 欧州中央銀行(ECB)の内部モデルで、ユーロ圏の経済成長が第2・四半期に一段と減速し、回復が一段と遅延する可能性が示唆されていることが12日、複数の関係筋の話で明らかになった。
関係筋は匿名を条件にロイターに対し、10日の理事会に提出されたナウキャスティングモデルによる試算で、ユーロ圏の第1・四半期の経済成長率は0.2%を若干上回る水準にとどまり、第2・四半期はさらに弱含む可能性があることが示されたことを明らかにした。
ユーロ圏経済が急速に減速するなか、ECBは年内の利上げを断念し、逆に一段の緩和措置の実施を表明。こうした中、関係筋はユーロ圏経済の低迷が一段と長期化する恐れが出てきたと指摘。「予想外の上振れを示すデータの発表は皆無となっている」とし、「3月に示された見通しは現時点ですでに楽観的過ぎるようにも見える」と述べた。
ただ関係筋は、ECBのナウキャスティングモデルは広範な指標を利用しているため大きく振れやすい傾向があるとも指摘。第2・四半期が始まったばかりの段階での予想は必ずしも正確ではないとの見方も示した。
この件に関して、ECBの広報担当者はコメントを控えている。
ECBが示したユーロ圏の経済成長率見通しは、第1・四半期が0.2%、第2・四半期が0.3%。欧州委員会の見通しは第1・四半期が0.3%、第2・四半期が0.4%となっている。