中国は、主要農産物に対する関税を他の製品に振り替える米国側の要請について検討していると、事情に詳しい関係者が明らかにした。米中通商合意が成立した場合、2020年の大統領選挙を控えたトランプ政権は農業従事者に勝利としてアピールできると考えているという。
交渉が非公開だとして匿名を条件に述べた同関係者によると、この要請を受け入れることになれば、中国は昨年7月から開始した500億ドル(約5兆6000億円)相当の対米報復関税の対象品目を非農産品に変更することになる。両国が合意に達したとしても米国が中国からの輸入品に課している500億ドル相当の関税を解除する意向がないことから、中国は報復関税の対象を振り替える措置になると、関係者の1人が述べた。
さらに別の1人は、中国が提案した米国からの農産品輸入を年間300億ドル拡大する計画を達成する点からも、中国は関税対象を農産品以外の品目に転換することを検討するだろうと述べた。
米通商代表部(USTR)にコメントを求めたが返答は得られておらず、中国商務省にファクスで質問したが返信はまだ得られていない。
原題:China Said to Weigh U.S. Request to Shift Tariffs on Farm Goods(抜粋)