- 国内法として協定を法制化する法案の提出を検討しているもよう
- 反対勢力が修正を通じて法案に要望を反映させることを想定か
メイ英首相は、欧州連合(EU)離脱の1カ月以内の議会承認に向け、死に物狂いの新たな戦術を打ち出した。実現できなければ、与党保守党にとって大きな痛手となる欧州議会選挙(5月23-26日実施)への参加を余儀なくされる。
下院で3度否決された離脱協定案自体を議会に再提出するのでなく、離脱協定を国内法として法制化するための法案提出をメイ首相は検討しているもようだ。反対勢力が修正を通じて法案に要望を反映させることを想定しており、政府の考えを知る関係者1人によると、その場合には可決に希望が持てるかもしれない。
メイ政権は23日の閣議で、「EU離脱協定法案」を「可能な限り速やか」に下院に提出する必要があるという点で一致したとスラック首相報道官が記者団に説明。報道官はその上で、「安全な通過」をいかに確保するかが問題だと指摘した。
閣議の事情に詳しい関係者の1人によれば、ジャビド内相を含む閣僚らが速やかな法案提出を主張したのに対し、ハモンド財務相は幾つかの危険を挙げて反論した。否決の恐れがあり、そうなれば今の会期の終了後に新たな会期が始まるまで法案を再提出できなくなる。総選挙でないにせよ、多大な時間を浪費する作業が予想されるというものだ。
メイ首相の考えに詳しい関係者の1人によると、最大野党・労働党指導部との協議が続けられる中で、今後数日の動きを見ながら離脱協定法案を提出するかどうか判断が行われることになりそうだ。
話し合いは「真剣」なものだと首相は閣議で述べたが、スラック首相報道官は、EUとの関税同盟への残留問題を含む一部の分野が厳しいことを認めた。関税同盟への残留は労働党にとって最低条件だが、首相にとっては受け入れ難い。協議の労働党サイドに関与する関係者の2人は、何一つ政府と合意できる状況からは程遠いと23日に語った。
原題:May Mulls Latest Gamble to Get Brexit Done Within Next Month(抜粋)
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