[ロンドン 21日 ロイター] – 英国のメイ首相は21日、6月上旬に予定している欧州連合(EU)離脱案の4回目の採決に向け、新たな提案を示した。離脱を巡る国民投票再実施の可能性に言及したほか、関税同盟でも譲歩するなど、野党への配慮がにじむ。ただ最大野党の労働党などはすでに難色を示しており、先行きは依然不透明なままだ。
メイ首相は「議会承認を得るための採決が3回実施されたが、政党を超えた合意が得られなければ、英国はEUを離脱しないということが現実だ」と指摘。「全党、全議員に申し上げたい。私は譲歩した。今度はあなた方に譲歩をお願いしたい」とした上で「国民からは(EU離脱という)明確な付託を受けている。どうか国民の付託に応える方法を見いだすために協力してほしい」と訴えた。
また離脱協定案には、EU離脱の是非を問う2回目の国民投票を実施するかどうかについて議会に諮ることを要件とする項目が含まれると明らかにした。
これに対し、労働党のコービン党首は、首相の提案は「おおむね従来案の二番煎じ」にすぎず、党として賛成できないと表明。与党・保守党内でもデービス元離脱担当相やリースモッグ議員といった強硬派らが反対の意向を示した。このほか、次期首相の有力候補のボリス・ジョンソン前外相とラーブ前離脱担当相も反対を表明した。
北アイルランドの地域政党・民主統一党(DUP)は「致命的な欠陥」が払拭されていないと指摘した。