【ニューヨーク時事】「日米両首脳の絆にひびが入った」。複数の米メディアは27日、訪日中のトランプ大統領による北朝鮮のミサイルなどをめぐる発言が、両首脳間の温度差を際立たせたと報じた。

「大統領にエールもらった」=トランプ氏と面談、拉致被害者家族

 トランプ氏は、安倍晋三首相との共同記者会見で、北朝鮮が今月発射した短距離弾道ミサイルについて「気にしていない」と発言。発射を「国連安保理決議違反」と非難した安倍首相やボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)との見解の差が浮き彫りになった。

 ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)は、両首脳の「『揺るぎない絆』にいくらかのひびが生じた」と表現。トランプ氏の発言は「日米関係に対する誤ったやり方だ」とする専門家の見解も取り上げた。

 CNNテレビは、北朝鮮国営メディアがバイデン前副大統領を「知能が低い」などとやゆしたことにトランプ氏が賛同したと紹介。北朝鮮による拉致被害者の家族と面会した直後にもかかわらず、金正恩朝鮮労働党委員長にすり寄るような発言をしたことから「大統領がまたしても、暴力的な独裁者に同調して自身の政敵を攻撃した」と批判した。