• モラー氏声明、中国がレアアース規制なら米産業界は大打撃も
  • イタリア財政、トレーディング低調、英議会は合意なき離脱黙認せず

米中貿易摩擦を巡る懸念が消えない中、米国株が続落し、3カ月ぶり安値となりました。一方で米国債市場では3カ月物と10年物の利回り逆転現象が進んで、スプレッドは2007年以降で最大のマイナスを記録し、リセッション(景気後退)のシグナルがさらに強まりました。質への逃避の動きはまだ続いています。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

完全潔白とは言えず

2016年米大統領選へのロシアの干渉疑惑を捜査してきたモラー特別検察官が、捜査開始以降初めて公の場で発言。トランプ大統領が司法を妨害したか否かについて結論を出せなかったと述べながらも、大統領が完全に潔白であるとは明言しなかった。モラー氏は読み上げた声明の中で、「トランプ大統領は罪を犯さなかったとわれわれが確信できたのであれば、そう報告したであろう」と説明した。

「壊滅的」な打撃も

中国がレアアース(希土類)を対米貿易交渉のカードに使うとの脅威が広がっているが、さまざまな製品に使用されているレアアースの供給が枯渇すれば、米国の産業界は深刻な打撃を受ける恐れがある。テクノロジー・メタルズ・リサーチの共同創業者、ジャック・リフトン氏は、中国はレアアースを使用した磁石やモーターの供給を絞ることで最大限の圧力を加える可能性があると指摘、「壊滅的な」影響が米産業界に及ぶ恐れがあると推測した。

事情を説明せよ

欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会は、イタリア政府に対して財政規律違反を巡る「過剰財政赤字是正手続き(EDP)」の最初のステップに着手することを確認し、来週の最終判断を前に同国政府に債務抑制に失敗した事情を説明するよう求めた。欧州委は書簡で、イタリアはEU財政規律に基づく「債務基準の順守に向け十分な進展」を果たしていないと記述。この状況を説明するあらゆる要因を5月31日までに報告するよう政府に求めた。

トレーディング低調

シティグループはトレーディング収入が4-6月(第2四半期)はこれまでのところ減少しているとし、JPモルガン・チェースに続いて同事業の業績低迷を明らかにした。貿易戦争の激化や英国の欧州連合(EU)離脱計画、米国とイランの緊張の高まりで市場センチメントが圧迫されているという。JPモルガンは28日に、トレーディング収入が4-5月に4-5%減少したと説明していた。

合意なき離脱は黙認せず

英下院のバーコウ議長は議会が合意なき欧州連合(EU)離脱を黙認しないと述べ、保守党党首選で次期首相の座を狙う候補者に警告した。党首選に立候補したEU離脱推進派の数人は、10月末に離脱期限を迎えた時点で必要なら合意なしの離脱を強行すると公約している。バーコウ議長はこれについて、議会の同意がなければそれは起こり得ないと言明した。

その他の注目ニュース
米国債利回り曲線、明確に景気悪化を示唆-モルガン・スタンレー
米国が欧州に警告、イラン制裁迂回なら米金融システムから排除も
リセッション不安拭えぬ市場、金利低下で株売り-トランプ氏思惑外れ